紫陽花とネバーランド
ウェンディ・ライフ

初日

特にすることがないからベッドにボフンと飛び込んでみた。そしてそのままころがって天井を見る。

ここが今日からあたしの家か。

あの空っぽの本棚に何を置こうが自由な訳だ。 
いいな、自由。

明日からどうすればいいのかとか、

現実のあたしは死んだことになっているのかとか、ピムの説明おおざっぱで詳しいこと何もわかってないなとか思ったけど心は穏やかだ。

寝返りをうつ。ふかふかだから気をぬくと寝てしまいそうだ。

寝て、朝になったらウェンディとしての生活が始まる。
ネバーランドの住人だ。

そう考えるとキッチリ制服を着てるのが馬鹿みたい。

緩めることなく付けていたリボンと、耳のすぐ下で1つに結んでいたゴムを机に置いて、再びベッドに飛び込んだ。

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