Lie
僕は
真っ赤に染まった兎の手首を握り締める。

「なんだコレ…」



兎はすり抜けるように腕をほどいて
僕をベッドに横たわらせた。



赤い花びらが僕の体を濡らす。



「…なにしてんだよ」



『…あの人は…』

『どこに行ったの?』





あの人…

なに…??

誰のコトだよ 知らねーよ。
ワケわかんねぇ。

あいつは確か………
天井と床に挟まれて死んだんだ。

あの時
僕を呼びながら潰れて死んだ。

そうだ 名前………



僕の名前は…??

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