待ってろあおはる

ちづるとの生活…楽しみだからさ。

うん…あたしも、すごい楽しみ。

でも、一緒に暮らすと…色々と
見たくない所も、お見せするかも…
あまり…女子力高くないからなぁ…

ふふ。何を今更。

え？バレてる？

バレてるねぇ。

げ…。

うはは。まあ、それもひっくるめて、
ちづる様ですから。
そんなことで、俺の愛はゆらぎませんよ。

ひぇー。愛されちゃってる！

なに、文句でも？と、にらむフリをする。

んーん。じゃあ、思う存分…
いつも通りで、頑張る！

ぷっ。何それ？
頑張るの？頑張らないの？

へへ。
奥さんらしくなれるように、頑張るよ。

結婚式はまだたけど、ケジメとして
たかくんと、明日婚姻届を出す予定。
明日からは、真崎ちづるになる。


でも…今まで…会いたくても、
なかなか会えなくて。
話はしてたけどさ？
顔を見て話せるって、やっぱり…ちがうね。

そうだね…。
何にも話さなくても、そこにいるってだけで
いいよね。

そうそう！同じ空気吸ってるだけでね？
味は変わらないけど、幸せな…空気感？
ね？

ん？よくわかんないけど、そうかな？
と、笑う。

なんで、わかんないのー！？
もう！

いや、語彙力？と、笑う。

また、バカにして！

じゃあ…手を伸ばせば届くっていう…
安心感！

お、いいねぇ。

そ？じゃあね…

手を伸ばせば届くっていう…

また？

…ドキドキ感？

お。

もしかして…。
俺、誘ってる？


…バレた？

…当然。

引っ越し前夜。独身最後の夜。

ワクワクと、少し緊張。
ゆっくりゆっくり。
口づけの雨を受ける。

もう…赤い印は…いらないね。
たかくん…。

そっか…これから、ずっと…
俺のものだもんね。

…でも、一個つけとこ！

え？

目があって…笑ってまた抱きしめ合う。

さよなら…。
嬉しくて…苦しかった…あたしのあおはる。
楽しかった…。
大好きな人と、幸せになるよ。


たかくん…。

ちづる…。


あいしてるよ。
あいしてる。