Perverse second
それからの竹下はもう怖いものなど何もないかのように俺に纏わりつき始めた。



暫くすると俺と竹下が付き合っている、などという恐ろしい噂も耳にし始めた。



冗談じゃない。



否定をすれば治まる噂だったのだろうが、俺は敢えて何もしなかった。



仕事も人間性も最悪な女だと思っているが、意外に男うけだけはいいらしく、数人が事実確認をするべく、俺のところに寄ってきた。



噂の出どころは間違いなく竹下だと分かっていたからこそ、俺は否定も肯定もせず、話題を変えることだけ徹底した。



朝も夜も俺を待っては一緒に通勤しようとする竹下の姿を何人もが目撃し、俺達の噂は大きなものになっていく。



何度かマンション前まで押しかけてきた時にはさすがに拒否したが、それ以外は気のすむまでやらせることにした。



その間はきっと三崎に大きな害を与えることはないと思っていたからだ。



俺が竹下を抑えている間に、きっと三崎は自分を立て直すだろう。



そのときの反撃のチャンスを、俺はひたすら待ったのだ。
< 144 / 193 >

この作品をシェア

pagetop