冷たい花に偽りの太陽を
CHAPTER.2



────────────────



あの日まで、泣いても叫んでも終わらなかった。



あの日々を終わらせてくれたのは紛れもない彼で。



そんな彼に少し、ほんの少しだけ感謝してたと思う。



でも感謝よりも恐怖の方が勝ったから、あたしは彼を傷つけてしまった。



────彼はあたしを守るために両親を殺した。



それは分かってる。



分かっていても、あの日、あの瞬間、彼が恐怖の対象になった。



ずっと死にたいと思っていたのに、死ぬのが怖いと思ってしまった。



死ぬのが怖いと思ったのは、あの日が初めてだった。



あの日から、あたしは生きるのも死ぬのも怖くなったんだ。



────────────────
< 23 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop