異世界にて、ファッション革命起こします!!

先程まであれほど私の意思を尊重するよう、釘を刺されている。


だから、王太子様も私の意思を確認したんだ。
王太子様の招待状が来れば私に断る術はない。
そうすることも出来る。
けれど、それを良しとしない我が家とそれを受け入れた王太子様はだから私に問うているのだ。


誘う事を許してくれるのかと。
強引に進めることが出来る立場の人が。
それをしないでくれる。
それがどれだけの事か…


目の前の人を見つめて考えた。


この人は隠さないし、真っ直ぐなのだ。
だから、私も答える。
まずは互いを知らなければ何も決められないから。



「王太子様。私はお誘いが来たのであれば、こちらに馳せ参じる所存です」


だって、王太子様のそれは命令では無く、願いのこもったお誘いだから。
それを蹴れるほど、この人が嫌いと言う程王太子様を知らないし。

「私は王太子様の事をまだ、よく知りません。まずはお互いを知らなければ何も始まりませんから…」


そう答えれば、王太子様は花が綻ぶような美しい笑顔を浮かべて、またキュッと私の手を握り言った。


「ありがとう。そうだね、僕の事をモネ嬢に知ってもらわなければ何も始まらないね。僕もモネ嬢をもっと知りたい
と思ってる」

「はい。ですからお誘い頂けるなら、私はこちらに馳せ参じます」


そうして、私はこの時より王太子様からのお誘いで月に二度王宮を訪れる事となった。
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