その先へ
私と奏斗はまた一緒に暮らし始めた。

あの日、気持ちを確かめあったあと、寝不足と泣きつかれた私達は、そのままベッドに倒れこみ熟睡してしまった。

気づけばもう外は暗くなっていて、急いで洗濯ものを取り込み、奏斗と二人で輝乃の家に荷物を取りにいった。

やり直すと伝え、奏斗は迷惑をかけた、と輝乃に頭を下げていた。
輝乃は『円香が幸せになるならそれでいい』と優しく背中を押してくれた。

以前と何も変わらない生活に戻った。

だけどやはり以前とは違う。
それは私の気持ちの変化だろう。

『結婚をしたい』という気持ちは変わりはない。
でもその気持ちも変化していて。
ただ結婚したいとか歳が歳だから、とか焦った気持ちはなくなった。

何も約束はない。それも変わらないはずなのに、奏斗と一緒にいる。それが一番大事なことなんだと気づいたのだ。

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