その先へ
「でも、それでも、円香と結婚したい、家族になりたい。幸せになりたいし、幸せにしたい。さっきそれを強く思えた自分を信じたいんだ。...どこまでも自分勝手だけど、な」
「奏斗!」

私は奏斗に抱きついた。
ソファーの背もたれに倒れこんだ奏斗は『いてぇよ』と笑っている。

「奏斗、私も奏斗と家族になりたい。...どうなるか、だなんて誰にもわからない。でも、二人でさいごの日まで生きていけるように、奏斗と考えて努力していきたい。奏斗のそばにいたい」
「うん。オレたちなりの夫婦、家族をつくっていこう。さいごの日まで、な」

奏斗の手が私の後頭部にまわり引き寄せ唇をあわせる。

そっと離れるとまた軽くリップ音をならしキスしたあと、奏斗は『緊張したぁ』と力が抜けたように言うので笑ってしまった。

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