極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
一人ぼっちの夜
***

軽井沢から帰ると、私たちはまた慌ただしい日常に戻っていった。

高梨さんが予告していた通り、彼の仕事が重要な局面を迎えたらしく、元々忙しかった彼はさらに帰宅が遅くなり、深夜に帰宅することがほとんど毎日になった。
食事は軽く摂るけれど、これまでのように雑談をする暇はない。

一分でも早く休ませてあげなければと思い、私はあまり仕事の話を突っ込んで聞かないようにしていた。


でも、リビングのサイドボードには二人が持ち帰ったワインが置かれ、私の右手の薬指には彼からのプレゼントが嵌められている。
そして、彼の帰宅が遅く、私が先に休んだ夜も、真夜中に目覚めると隣には彼が私を抱くようにして眠っている。

だから私は笑顔でいられた。
こんな忙しさがいつまでも続くわけではないのだから。そう考えて、元通りの生活が戻ることを心待ちにしていた。



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