恋をしようよ
ナツの生けた花を見る。
凛と芯に主張するリンドウ、添えと控えの花のバランスも完璧で、手直しするところなんてなかった。
「悲しんでいるあなたを愛する」そんな花言葉の青い花。姉ちゃんは何を思って、この花を選んでくれたんだろうと思う。
「ナツ、お前凄いな・・・」
思わずこぼれた言葉に、桃も「ほんと素敵・・・お母さんが生けたのみたい。」なんて言っている。
こいつもやっぱ気付いたんだな。
もしかしたら、本当にこの子なのかもしれない・・・
ぼんやりと、ずっと探していたものが見つかったような気がした。
思いの外お稽古が早めに終わったので、ナツを自室に招き入れてお茶をいれてあげた。
桃と蓮は、別の部屋で勝手に着替えた後遊んでいるらしい。
なんだか緊張する。
ずっと二人きりになりたかったんだと、改めて思う。
今まで何人も、この部屋に女の子は来たけれども、今までどうしてたっけな?
「やっぱりナツは筋がいいな。これからもちゃんと習えばいいのに。なんなら俺が教えてやるよ。」
毎週ここに来てくれればいいのにと淡い思いを含みながら伝えると、「でもお高いんでしょう?」何てふざけたように言いながら笑ってはぐらかされてしまった。
彼女の隣に、微妙に間隔を空けながら座る。
いれてあげたジャスミンティを彼女は口に運ぶ。
その仕草を横から愛しく眺める。
「あっ、このお茶美味しいですね。」
俺の方にやっと向き直って笑ってくれる彼女の短い髪に、思わず手をやって、その髪を耳にかけると、彼女の熱が指先から伝わってくる。
ただ触れたい、それだけ思って無意識にそうしてしまったんだ。
又照れて離れてしまうんじゃないだろうかと、ドキドキしながらも。
ほんの一瞬、目と目が絡み合う。
その瞳がすぐ目の前に近づいた瞬間、彼女の唇が頬に触れていた。
「えっ?なに?」
まさかナツがそういう行動を起こすとは思わなかったので、何が起きたか訳がわからなくなっていた。
「"いつでも抱いてやる"って前に言ってくれましたよね?」
その艶っぽい上目使いの瞳を見つめながら、断る理由なんて思い付かなかった。
凛と芯に主張するリンドウ、添えと控えの花のバランスも完璧で、手直しするところなんてなかった。
「悲しんでいるあなたを愛する」そんな花言葉の青い花。姉ちゃんは何を思って、この花を選んでくれたんだろうと思う。
「ナツ、お前凄いな・・・」
思わずこぼれた言葉に、桃も「ほんと素敵・・・お母さんが生けたのみたい。」なんて言っている。
こいつもやっぱ気付いたんだな。
もしかしたら、本当にこの子なのかもしれない・・・
ぼんやりと、ずっと探していたものが見つかったような気がした。
思いの外お稽古が早めに終わったので、ナツを自室に招き入れてお茶をいれてあげた。
桃と蓮は、別の部屋で勝手に着替えた後遊んでいるらしい。
なんだか緊張する。
ずっと二人きりになりたかったんだと、改めて思う。
今まで何人も、この部屋に女の子は来たけれども、今までどうしてたっけな?
「やっぱりナツは筋がいいな。これからもちゃんと習えばいいのに。なんなら俺が教えてやるよ。」
毎週ここに来てくれればいいのにと淡い思いを含みながら伝えると、「でもお高いんでしょう?」何てふざけたように言いながら笑ってはぐらかされてしまった。
彼女の隣に、微妙に間隔を空けながら座る。
いれてあげたジャスミンティを彼女は口に運ぶ。
その仕草を横から愛しく眺める。
「あっ、このお茶美味しいですね。」
俺の方にやっと向き直って笑ってくれる彼女の短い髪に、思わず手をやって、その髪を耳にかけると、彼女の熱が指先から伝わってくる。
ただ触れたい、それだけ思って無意識にそうしてしまったんだ。
又照れて離れてしまうんじゃないだろうかと、ドキドキしながらも。
ほんの一瞬、目と目が絡み合う。
その瞳がすぐ目の前に近づいた瞬間、彼女の唇が頬に触れていた。
「えっ?なに?」
まさかナツがそういう行動を起こすとは思わなかったので、何が起きたか訳がわからなくなっていた。
「"いつでも抱いてやる"って前に言ってくれましたよね?」
その艶っぽい上目使いの瞳を見つめながら、断る理由なんて思い付かなかった。