冷たい蜂蜜
手放して、拾う
会社に着いた。


その時気付いた




彼の家に書類やファイル、資料を忘れてきたこと


取りに行かなきゃと思ったがやめておいた


なぜか行ってはいけないと思ってしまった




仕事が終わったら取りに行こう。






「藍夏ちゃん、可愛いよな~」


また始まった


このワードは仕事の邪魔をする


よりによって若田 藍夏はしつこく付きまとうし
ろくでもないやつらの集まりね


さて仕事再開しなきゃ..!






仕事が中々終われそうになかった


若田藍夏は仕事放ったらかしにして帰った


全部私が代わりにしなければいけなかった


これでいいの


今までそうだった


誰かの為に私が代わりにしてその誰かは褒められ、
私が代わりにしたことを誰も気付かない

気付いてくれない。





私は日々にポイントをつけている

嫌なことがあったら楽しかったことを思い出す




彼、駿人と小さい頃上ったゆるやかな坂道


あなたとずっとこのまま過ごした時を止める



ここに戻ろう どこまでも行けるから




時計の針は12時を知らせた


若田藍夏は面倒な仕事だけを後回しにしているのがわかった。今度注意しなきゃ。





夜中の3時頃やっと終わった


眠気が私を襲う


早く帰らなきゃ


幸い今日は休みだった


家に帰って早く寝よう





車を走らせる


家に着いた


鍵を開ける


中に入り、履き慣れたハイヒールを脱ぐ


電気を点け 靴を並べる


スーツを脱ぎパジャマに着替える


ベッドに潜り込んだ







ーーー何時間後




あんまり寝れなかった..


起きた時刻は朝の6時


身体にこの時間が身に付いているのがわかった




起き上がり、リビングに向かう


テレビをつける


この時間帯はニュース番組だけ


いろんなニュースが流れる


朝ごはんを作り、食べて


お風呂に入った


外は晴れている、どこかに行きたいね。




今は朝の9時


休みの日は親子でいっぱいな日


休みの日は嫌いだった


子どもだったらきっと休みの日が好きで
唯一の救いだったのかな


そんなことぼんやり思いながら浮かぶ雲を見つめる




こういう日は風が心地いい



髪を撫でる風



晴れている日は空が高く感じる





憂鬱だ







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