お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
そうだよね。ルームメイトといったら、普通は同性だと思う。

秘密がばれる方へ、話が流れなくてよかった……。


私が胸を撫で下ろしたその時、私たちの間に割り込むようにして話しかけてくる女子社員が現れた。


「おふたりで楽しそうですね。なんのお話ですか? 私も混ぜてくださーい!」


彼女は四班に所属する営業事務員の、小南結衣(こなん ゆい)。

私のふたつ下の後輩で、入社二年目の二十四歳だ。

肩までのキャラメルブラウンの髪をふんわり内巻きにして、人形のようにくりっと丸い大きな目を、長めの付け睫毛で飾っている。

グロスを塗りすぎた唇は、いつものようにヌルヌル、テカテカと輝いていた。


ナチュラルメイクを好む私なので、彼女と顔を合わた時はつい、その唇を気にしてしまう。

彼女が入社間もない頃、朝食に背脂豚骨ラーメンでも食べてきたのかと勘違いして、ティッシュを渡して唇を拭くように言ったら、『パワハラですか!?』と泣きながら抗議されたことがあった。

それ以降、彼女のメイクには一切のツッコミを入れないと決めていて、今もヌルテカの唇には触れずに受け答えをした。
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