10歳の年の差はどうやって埋めますか?
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「今日の佐野課長補佐、おかしくない?」

「うん、隙があり過ぎるよね。」

長谷川さんが若い監督さんとそんな会話をしていた事も知らず…。

「おい、佐野。打ち合わせしたいから、会議室に来てくれ。」

「あっ、はい。」

私は慌てて立ち上がる。

外出先から戻った清水課長は少し興奮しているようだ。

会議室に入って、向かい合って座った。

「営業が大きな仕事を取って来た。老人のホームの建設だ。」

「そう。」

清水課長は反応の薄い私に驚いた。

「どうしたんだ?いつもの佐野なら飛びついてくるのに。」

「ああ、ちゃんと聞いているよ。」

私は清水課長が差し出した資料に目を通す。

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