10歳の年の差はどうやって埋めますか?
そこで効率化を求めて、清水君から何人か総務課から工務課に異動の希望を出したのだ。

私は若い子の異動になると思っていた為、それ程印象に残っていなかったのだ。

「そろそろ打診があると思う。その時はよろしく頼むな。」

んっ?どういう事?

「ベテランと若手の二人がこちらに来てくれることになりそうなんだ。」

「ふ~ん、そうなの。こっちは戦力ダウンになるな。」

「佐野、何言っているの?」

清水君は何かを含んだような意地悪な笑顔を見せた。

「何よ、その顔。」

私はまた書類に目を戻す。

「こちらの希望は佐野と長谷川を指名したんだけど。」

「えっ、嫌だよ。私は無理だよ。」

入社以来ずっとこの仕事をして来たから、今更新しい仕事なんて言われても…。

すると私の肩に手を置いた清水君は私の耳元で囁いた。

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