イジワル上司にまるごと愛されてます
「なに、あなた。課長が行かなかったら、行かないって答えるつもりだったわけ?」
「え? いえ、まさか」
「意味深な答え方だったわよ」

 敦子に詰め寄られ、来海は両手を胸の前に小さく挙げた。

「そんなことないです!」
「どうかしら」
「ホントですって。それじゃ、私、仕事の続きがありますので、これで」

 来海はぺこりと頭を下げて、そそくさとオフィスに入った。けれど、背中では敦子の刺すような視線を感じていた。 
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