視線 ~人生が変わる瞬間~
プロローグ
 まただ。


 また、転校の時期がやってきた。


 私の父は、年に一度は転勤をするのが当たり前のようなもの。


 母は主婦業なので何ともないが…私にとっては大迷惑だった。


 私は、転校するたびに友達や好きな人と離れてしまう。


「じゃあね、愛羅ちゃん」


「また会おうね!」


 そんな、心も涙もない言葉を何度聞いてきた事か。


 転校先でも、友達作りに毎年てこずっている。


 軽い気持ちでいじめられた事もあった。


 父は私の大変さを全く理解してくれていない。


「転勤が決まった。引っ越さないといけない」


 と、当たり前のように言葉を放った。

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