死んだ元姫の私がゴスロリ豚になったら、問題しかないんですけど、どうしたらいいでしょうか!
「いや、マジであのドラマ意味わかないでしょ。あのヒロイン頭おかしいよなっ」
私は、
親がヤマトナデシコを目指してつけた名前と反して、
ギャル路線まっしぐらで、
派手めな生活をしている。
まぁ、してる本人は楽しいようにしてるだけで、派手なんてこれっぽっちも思ってなかったんだけど、
地味な生活なんて死んだ方がマシ。
「私も、あんな男なら即OKだし」
「やまと~、んなこと言ってたら、彼ぴが泣いちゃうんじゃない~?」
ぎゃはは、ユミが笑う。
「だいじょーぶ、シンゴは私一筋だから」
「うわ出たよ、ノロケ。ねぇー、いいおとこ紹介してよ~」
「ブスには紹介できませーん! プチ整形して出直しな」
「やまと。プチじゃあ直んないよ、これは!」
ミカをいつものブスいじりして、爆笑する。
ミカも鉄板の変顔で応戦してくる。
今日の顔は、溶けたマンボウみたいで、ツボる。
やばい、笑いすぎた。
あー、お腹がいたい。涙出てくる。
「ブッス、うける!!!」
机をスリッパで、バシバシ叩いて笑う。
ふと、他のクラスメイトと目が合う。
クラスの端の冴えない女子のグループだ。
何、見てんだよ。
見せ物じゃねぇーよ。
ガンを飛ばす。
あいつらには、見られたくもない。
すぐに視線をそらされる。
休み時間、机の上にあぐらをかき、気弱な男子の席に勝手に座り込み、周りを気にせず騒ぐ。
スクールカースト上位のグループ。
その中心に私はいる。
勉強はできないけど、彼氏もいる、友達もいる、楽しいこともたくさん知っている、
クラスの端で細々と、苔でも食って生きてるようなヤツラは、人生を無駄にしている。
もっと私たちを見習って、人生を楽しむべきだ。
でも、こそこそ盗み見られるのは、腹立つ。
今、目が合ったのは誰だっけ。
えーと、確か古くさい名前。
あぁーーー珠子だ。