結婚のその先に
「きゃっ!」
突然翠が啓吾の方に倒れ込む。

「おっと」
啓吾は自分の方に倒れ込んできた翠を抱き止めた。

そんなふたりをバックを握りしめながら見ていた栞菜。


泣きそう…。


栞菜は唇をぎゅっと噛み締めてふたりに小さくお辞儀をして取締役室を出た。

「栞菜っ?」
啓吾の声が聞こえても振り返らずに栞菜は立ち去った。
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