イケメン問題児四人と同居始めました。
「恋咲ちゃん……?なんで廉がいるのか、詳しく、経緯を教えてくれる?」

玄関口にはエプロンをつけて右手にお玉を持ち、左手に打ち付けている奏ちゃんがいた。

「すみません。実はーー」

「そういうことね。まぁいいや。ほら、夕飯食べよう?」

「はい」

そこには、豪華な食事が並んでいた。

「いただきます!」

「どうだ恋咲。美味いか?」

お兄ちゃんが私の顔を覗き込んでくる。

「うん!すっごく美味しいよこれ!」

「それは良かった!」

奏ちゃんがそういう。

「これ、誰が作ったの?」

「俺と、奏、2人で作った」

「そうなんだ!上手だねやっぱり!」

お兄ちゃんは毎日私のお弁当とか作ってくれていたから、やはり美味い。
奏ちゃんも料理部の部長なだけあって、上手だ。

「ありがとぉ恋咲っち!」

「ありがとな」

「みんな、演劇祭はなにをやることになりました?」

碧が話を切り出す。

「僕のクラスは、ピーターパンをやるよ!」

奏ちゃんが即答する。

「もちろん!主役のピーターは僕だよ!」

奏ちゃんがエッヘンと胸をはる。

「俺のクラスは白雪姫だ。王子役を俺がやることになったよ」

会長がご飯を食べながら答える。

「俺はピーターパンをするよ。少し話を変えるらしいけどね。俺はフック船長役さ」

へぇ、似合いそう。お兄ちゃんらしいな。

「僕は、眠れる森の美女をやる。王子役、僕がやることになってさ」

碧はご飯を頬張りながら答える。

「恋咲のクラスは?」

碧が私にきく。

「俺と恋咲ちゃんはね、ロミジュリをすることになったよ」

「へぇ、主役は?」

「ロミオは俺。ジュリエットは、恋咲ちゃんだ」

「は?」

みんなが口を揃えて、疑念の声をあげた。

「私、無理矢理だから」

「健、下心丸出しすぎ」

碧が加藤くんのことを睨む。

「俺の恋咲を!恋咲をぉ!」

お兄ちゃんが発狂する。私、お兄ちゃんのものじゃないんだけど。

「ご馳走様!」
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