イジワルな彼は私を溺愛しています
「水沢さん」

「有紀、呼ばれてるよ」

「水沢さん、起きて」

「有紀っ!!」

「……なによ…」

耳元で叫ばれて、むっくりと起きた。

「何よじゃないわよ。さっきから呼んでるのに」

「なんで…?」

「会長が呼んでるの。それなのに有紀は起きないから、周りの男子も手伝ってくれたんだよ」

「あ、ありがと…」

また机に突っ伏そうとした私の肩に誰かの手が置かれた。

「水沢。行くぞ」

「どこにですか?」

「生徒会室」

中島先輩に腕を掴まれて立たされた。

眠い目をこすって立ち上がると女子からの冷たい視線が自分に向けられていることに気づく。

「あの、すいません。行きたくないです」

「却下」

耳元で言われた。

「は?」

「行くぞ」

中島先輩は何事もなかったかのように歩き出した。
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