イジワルな彼は私を溺愛しています
「1位か………。勉強頑張らないと……」

「何一人でブツブツ言ってんの?」

「ああ、なんでもない」

一緒にご飯を食べている亜矢に言われて購買で買ったパンを口に入れる。

「ふーん、で、中島先輩はどうなの?」

「……どうって?」

少し動揺してしまう。

「動揺しちゃってー。なんかあったんでしょ?」

「何もない」

「即答がぎゃくに怪しい」

「それより、次の定期テストっていつ?」

「4月26日」

「あと、三週間か……」

「有紀は首席だもんねぇ。私に勉強教えてよー」

「ごめん。今回は私の生死がかかってるから。次回からならいいけど」

「そっかー、じゃあ、赤点とらないように努力しますか」

亜矢は弁当箱を片付けて言った。

「それよりも、何でテストが有紀の生死に関わるの?」

亜矢の顔は好奇心が抑えきれていない。

「勝負してるの」

答えてからしまったと思った。

「誰と??」

獲物を見つけたような顔をしないでほしい。
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