花鳥風月~華麗な舞に酔わされて~
開かずの回廊門
現在、状況が読み込めない事態に陥っている。

「どこだよ、ここ。」

私は1人連れてこられてしまったらしい。

ホント、ついてないなぁ。

「やぁ、君は皇財閥の一人娘と聞いているよ。
何故か浄蛾が助けたいと言ったから連れてきたんだよ。」

誰だし。

「申し訳ございません。助けて頂いたのに、礼の一つも出来ず。
あの、私には連れがいたのですが、そちらは?」

「あぁ、斑鳩財閥の方ですか?店内で赤龍連合と鳳凰が対峙していた際、居合わせてしまったようで、下の者が手当てしています。」

漣、やっぱりボコられてたのね。

「すみません、お手数お掛けして。
突然ですが、帰宅は許可していただけますか?」

相当驚いたようで、彼は目を見開いた。

「まさか、今すぐですか?
浄蛾の許可が降りないとダメですね…。」

困ったように笑った。

ん?これ、浄蛾じゃない?

「申し訳ないですが、あなた、浄蛾ではないですか?」


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