王子と私の恋愛事情。


……休日までそのスタイルなんだな。
くくっ……ブレねぇ〜」


「……え?」


お下げ頭にメガネ、昭和女を思わせる服装に嵯峨くんが今にも笑い転げそう程笑いをこらえてる。

ファッションセンスには疎い私。

しかも男の子と2人でなんて出かけたことのない私。

だから今日もいつもみたく同じ格好。

何にも気にしてなかった私は急に恥ずかしくなってきてさっきまでとは違う意味で心臓がドクンドクンと鳴る。


「き、着替えてくる…」


ガシッ

私が家に引き返そうとすると私の腕を嵯峨くんが掴む。


「今から変えたら時間かかんじゃん、行こ。
予定変更」

「ふぇ?よ、予定変更?」

「うん、この間怒ったお詫びに俺が莉奈を変えてやる。」

「ちょっと、言ってる意味が全く意味がわからないんですけども。」

「良いから、文句言わずに着いてくる!」


そう言って私の手を掴んだまま歩き出す。


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