優しい音を奏でて…
再会
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再会

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「…ここまでで、何かご質問はありませんか?
…なければ、ここで一旦休憩とさせて
いただきます。
次は、10分後の10時40分から、実務について
説明いたします。」


…… ふぅぅっ…

緊張を解かれたことによるため息が、そこかしこからもれた。


12月3日(月)

私、橘 奏(たちばな かなで)は、OKコンピュータサービス(株)に半年間の短期のパート社員として入社した。

採用人数は10名。

見た感じ、私以外は、ほとんどが主婦のように見える。


パートだもんなぁ…

話、合うかなぁ?

人見知りの私は、周りを見渡して心配と不安でいっぱいだった。


すると、そんな私の心配をモノともせず話し掛けてくれる人がいた。

「橘さんだっけ? 若いよね!? いくつ?」

「高木…さん? そんなに若くありませんよ?
もう26になります。」

主婦のパワーは私の想像より凄いものがある。

誰にでも話し掛けていて、みんな人見知りとは無縁のようだった。

たかが10分で、家が近所だの、子供が同い年だの、それぞれの共通点を見つけてどんどん会話を広げていく。

パートだけど、一応同期入社。
ある種の結束が生まれているようだった。

世の中は世話好きな主婦によって円滑に回っているのかもしれない…。

私の緊張も少しほぐれた気がした。



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