ヴァンパイアの花嫁
「ティナ……というのか」


レオンがティナの名前を呟いた。


「お願いです……来ないで……」


震えた身体をレオンは何も心配は要らないと抱きしめたかった。


しかし、今のティナは小動物のように怯えている。


「ティナ」


名前を優しく呼ぶと、レオンは近づいた。


ティナが恐怖の色を瞳に浮かべる前にレオンは怯える額に指を置いた。


その瞬間、ティナは意識を失くした。


ソファの上に崩折れた小さな身体を抱き上げるとレオンは地下室を出た。




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