ヴァンパイアの花嫁
レオンの血の匂いでティナは気が狂いそうなほど血が欲しいことに気づいた。


「ティナ、我慢してはいけない」


レオンの瞳が妖しく真紅に変わる。


その瞳に魅入られたようにティナは動かない。


いや、レオンの瞳に囚われて動けないのだ。


「我慢……?」


あたしはなぜ我慢しているの?


「あたし……」


レオンの妖しい瞳にティナの心は奪われた。


「さあ、ここに牙を突き立てて」


レオンは自分の美しい首をティナに向けた。


「……は……い」


従順に返事をしたティナはレオンの首に口をつけた。


ヴァンパイアになってしまった本能がレオンの首に傷をつけた。


「んっ……んっ……」


レオンの血がティナの喉に通っていく。


おいしい……。


ティナは欲望のままにレオンの血をすすった。



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