緋色の勇者、暁の聖女


「だけど……だけどね! あたしは旅に出たとき、レイに何があっても付いていくって決めたの! だって、大事な友達だもん!」

「カナリ……ありがとう」

「あたしもレイと一緒に行く! グラファイト様の事は残念だけど、あたしはレイを……みんなを信じる!」


 カナリはそう言って、レイの手を握り返した。

 ジャンさんは笑いながら、それじゃあボヤボヤしてらんねえぜ、と言って立ち上がる。外に出ると、辺りの住居や荷物はすっかり片付いていて、いつの間にか出発の準備が出来ていた。
















< 142 / 296 >

この作品をシェア

pagetop