Hey girls!調子はいかが?
「晴ちゃーん、起きてー。」
「先生、起きません!」
「吸入器で薬入れて、発作止めの点滴を入れましょう。」
「わかりました。」
「晴ちゃん、吸入するよ。1、2、3、はい。」
「先生、点滴です。」
「ありがとう。晴ちゃん、点滴するよー。ちょっとチクってするけどごめんね。」
「ネブライザーしますか?」
「いや、さっきの吸入が効いてちょっと落ち着いてきたみたいなのでこのまま少し様子を見ましょう。私、暫くこの部屋にいますね。」
「わかりました、先生よろしくお願いしますね。」
慌ただしく処置をしていたがなんとか晴の発作は治まったようで、ナースコールに出た看護師さんは病室から出ていった。
「うん、大丈夫そうだね。」
楓先生は点滴の量を調節して、晴の様子を見ながらそう呟いている。
「先生、晴は?」
「ん?ああ、もう大丈夫そうだよ。いち早く気づいて呼んでくれてありがとうね。」
「ううん、大丈夫。晴が大丈夫ならいいの。」
「そっか。瞳ちゃん、あれからあんまり時間経ってないし、あんまり寝れてないんじゃない?熱高いし、瞳ちゃんももう1回寝た方が良さそうだよ。」
「う、ん…。」
「どうかした?」
「えっとね、先生まだしばらくここにいる?」
「ん?いるよー。どうした?怖くなっちゃった?」
「うん…。さっきの晴を見てて、私が寝てる間に晴がまた発作起こしたらどうしようって。」
「発作止めの点滴してるし、暫くは多分大丈夫だから。心配しなくていいよ。」
「うん…。」
「瞳ちゃんも、晴ちゃんみたいに寝てる間に発作を起こしたらどうしようって思ってる?」
びっくりした。大正解。晴のことはもちろん心配。でも発作の苦しみを味わったからこそ、私も晴も2人ともが知らない間に発作を起こしているかもしれないことがとても怖い。
「図星だね。」
そう言って楓先生は少し笑った。
「その気持ちはわかる。対処出来ないまま何かあったら…って思うと寝られなくなるんだよね。
だけど、なんのために私たちがいるかってこと考えてみて?患者さんを救うため。何かあっても大丈夫なように、定期的に廊下を巡回してるから何かあっても直ぐに私たちが気づけるよ。」
「そっか…。」
「だから安心しておやすみ。今の瞳ちゃんに必要なのは休息だよ。大丈夫、私もしばらくこの部屋にいるから。しっかり寝ていいよ。」
「わかった。おやすみなさい。」
「うん、おやすみ。」
私は楓先生に誘導され、眠りに落ちていった。