【続】0.0000034%の奇跡
【きせき 〜最終章〜】





自宅の一室をスタジオ代わりにして。
カメラのシャッター音が鳴り響く。
少し風で髪を揺らしたりして動きのあるショット、ギターを構えて歌う仕草、時折メイクを直してカメラ目線のアップを撮ったりした。



今日は専属契約している雑誌の撮影日。
いつもよりスタッフさんの出入りも多い。
担当者の月島ユイちゃんもかなり気合い入ってるみたいです。



というのは、今回初めて代表取締役社長と副社長の2トップも同行しているのだ。
事前に耳には入っていたけどいきなり自宅へ招待なのでこっちも緊張してしまう。
何やら撮影後にお話があるそうで。



改めて名刺を頂く。
代表取締役社長、いわゆるCEOは見た目はハーフっぽいなと思っていたらやはり日本とイギリスのハーフでした。
しかも38歳には見えぬ若さ。
えっと、副社長の方が歳上ですよね?って感じ。



きちんと日本語も話せて清潔感のある印象の社長と穏やかな口調で安心感を与える副社長。
私の隣には智くんに座ってもらって5人での打ち合わせがスタートした。



「「えっ…!?」」



思わず声がかぶるほど耳を疑った私たち。
ただの挨拶にすぎない打ち合わせだと思っていたのは大間違いだったようだ。





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