彼女が死んだ物語
隣の家の子で、毎日窓越しに話していた、その子と。



その子の名前はナミと言って、とてもかわいい顔をしていた。

背は同じくらい。



そして、飽きるほど、私とナミは色んなことを話していた。









「ねえナミ。今日も悠哉君に逢えたよ~」






うれしさのあまり、窓に近づく。





「よかったじゃない、で? 何かあったの?」






私がうれしそうにしていると、ナミもうれしそうにしてくれる。





「う~ん、何か、って何かはなかったかなあ。でもカッコよかったよ」






薄暗く、狭い自分の部屋で、私はナミに何でも話していた。




「そんなにカッコいいの? 悠哉って人」



「当たり前! 背もすらーっと高いし、サッカー部のエースなんだから。

ナミがタイプだって言っていたあの芸人なんかとは大違いよ」





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