天罰
「ねぇ、彼女とはどうやって知り合ったの?」「うーん、同じ高校の同級生ですよ」もしかして悟くんから告白したの?」「まさか。お互いに自然とそんな雰囲気になったというか。俺からはそういうのしませんから」「そっか。草食男子なんだね」1日に数回彼とメッセージのやり取りをするのが習慣となった。ゲームの話、最近の話、話が尽きることがないけど私が一番興味を持って聞くのが彼の恋人のことだった。「デートはどんなことするの?」「うーん、もっぱらインドアですよ」「えーそうなの?だって実家でしょ?」「うん、まあ・・・」アレはどうしてるんだろうとちょっと下のことが気になったけど聞く勇気がなかった。「桃さんは?旦那さんとデートするんですか?」「たまにね。彼は忙しい人だから時間が空いたら一緒に高級レストランに行ってディナーを食べたりしてる」「わぁ、すごいですね!」私たちの生きる世界は違うように思えた。彼はまだ20歳で同じ年の彼女がいる。きっと彼からしたら私の生活は想像も出来ないようなスケールの大きい世界なんだろうとなと思った。だからお互い知らない世界同士、興味が湧くのかもと思った。
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