天罰

今日は初めて悟くんと電話をすることになった。
彼の声が聞いてみたくて私から電話しようと言ったのだけど。
私の記憶は8歳の時の少年の声で止まってる。
成長をした彼はどんな声をしてるのだろうと考えるだけで
ドキドキするのだけど期待と違っていたら悲しいから
あまり考えないようにもした。

「じゃぁ、かけるね」
「うん、待ってます」

コール音が鳴って程なくして繋がった。

「もしもし?」

わぁ、思わず声が漏れそうになるのを抑え
「あ、もしもし?悟くん?」とだけ答えた。

「はい、そうです。桃さん、相変わらず綺麗な声してますね」
「悟くんこそ!想像以上に低い声でびっくりしたよ!格好いい!」
思わず本心をそのままそっくり伝えてしまったのだけど
彼はお世辞だと思ったのか
「え?俺はそんなに自分の声好きじゃないんですよね」と答えた。

「え?なんで?」
「なんか眠そうな声に聞こえるんで・・・」
「確かに!」
そして二人は笑い合った。

悟くんと話してると楽しくて1時間もあっという間に感じた。
もっとずっと話していたい。私は段々悟くんに惹かれ始めていた。
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