天罰
部屋に入ると私は早速ソファーが置いてある窓際に近づいた。

「わぁ、素敵!!!」
先ほどのレストランよりも東京駅を一望出来て
私は感動した。

彼はスーツのジャケットをソファに掛け、
ネクタイを解き、シャツのボタンを一・二個外すと
私を後ろから抱きしめた。

そのままの状態で高身長の彼が顔を下ろし、
私の耳元で「桃・・・」と甘く囁くと
「好きだ・・・・」ともう一度囁いた。

私は彼の呪縛にかかり何も答えられずにいた。
彼は私の向きを自分の方向に変えるとそのまま
ゆっくりと喰むようにキスをしてきた。

慣れたように舌で私の舌を弄び絡める。
何度もしてきた彼とのキスは興奮というよりも
私に安心感を与えた。

こんな状態でありながらも私の心は冷静で
頭の中である人を思い浮かべようとしていた。

彼がキスを止めると「シャワーを浴びてくる」と言って
シャワールームに入った。

私は口を拭くとソファーの上に腰掛けた。

もし悟くんとのキスだったら私はどうなってしまうのだろう。
一瞬、彼とのキスを思い浮かべようとして止めてしまった。
旦那とキスしてる間に他の人のことを考えるなんて・・・
いくら些細なことでも罪を犯すことを恐れた。けれど・・・
私は自分でも思わなかった残酷なことを考え始めた。



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