ふたり
「由香ってさ、好きな食べ物何?」


そう、銀色の髪の駿が聞いてきた。


「大きいブドウだよ」


そう答えたのはあたしではなく
もうひとりの男子で爽やかな、涼介だった。

なんで知ってるの?


そう答える暇もなく、
ふたりはあたしについて
普通なことのように言ってくる。

あたしの生まれた時間まで。


そんなのあたしも知らないよ
っていうとこまで話すから、正直かなり怖い。


そんな恐怖を感じながら
すこし先にふたつにわかれた道が
見えてきたのを確認した。

ふたつにわかれた道は、
多くの人があたしと反対のほうに行く。

あたしと同じ道はあたしの家以外で、
ふたつの豪邸が建ってあるから
誰かが入る土地がない。



「あたしこっち」

そういうと、ふたりはなぜか頷いた。

「俺もだよ。ね?」

駿がそういって、
涼介が「俺も」と
当然のことのように言った。
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