シェヘラザード、静かにお休み
だから、大切にする方法が分からない。
一方、ルイスは口を噤む。猫だと思っていたのはルイスの方だったからだ。
青い目とブラウンの髪の毛。
まるでシャム猫。
それきり黙ったシーラは、ベッドに横になり壁の方を向いた。ルイスは再度本を手に取る。
雨の音すら、ここには届かない。
「どうなんだ、女は」
ルイスが寮に戻ると食堂でカードを切っている同僚が聞いてきた。
「……変な女だ」
「一回くらい寝たのか?」
「馬鹿かお前」
ケラケラと笑ってルイスにもカードを配る。