シェヘラザード、静かにお休み

視線をシーラに移す。
ぞくり、と背中が震えた。

「それで? 貴方の兄は倫理に反することをしたから殺された。でも倫理に反することをしたのは、全て貧しい思いをしていたからだって、そう言いたいの?」

青い瞳の奥が熱く燃えていた。

「だったら、貴方は殺されるべきよ。古参衆にでも、王女様にでも」

「君が言う通り、僕が死んだら王女がこの国のトップになるのだろう。そうしたら、また黒歴史を繰り返すだけだ」

「もっと面白い答えを期待していたわ」

燃えている意味は、怒りか正義感か。

「つまらない話を延々と聞かされたのでは、寝つきが悪くなってしまう」

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