シェヘラザード、静かにお休み

王女をあの街から誘拐してきた、という発想はなかった。

「それなら、俺も自首してきます」

「え? ルイスさん」

「俺も共犯ですから」

「飛躍しています。お二人は王女様の同意の上で行ったことなんですよね、それなら王女様が違うと一言言えばシーラさんの罪だって無くなるのでは?」

確かに、とルイスは立ち止まる。

いやしかし、そう言わなかったから、態々城の警察がここまで足を運んだのだろう。

シーラが何か頼んだのだ。アメリアに。
ここ一ヶ月、伊達にシーラと一緒にいたわけではない。


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