シェヘラザード、静かにお休み
今まで一緒にいると話し続けていたので、黙っていると違和感がある。
シーラは城の方をじっと見つめている。陥落する城の方を。
「お前の言う通りだったな」
ラジオを点けると、どこも城で爆発が起きたというニュース。
テロリスト、侵入者、爆発。
「甘いわね」
道は既に街を抜けて森の中へ入って行った。
ふあ、と欠伸をしてシーラは伸びた前髪をかき上げた。
「もう少しで雨が降る」
青い瞳が、フロントガラスの向こうに広がる雲を捉える。
まるでシャム猫だ。
それから車の中をきょろきょろとし始めた。