シェヘラザード、静かにお休み

今まで一緒にいると話し続けていたので、黙っていると違和感がある。

シーラは城の方をじっと見つめている。陥落する城の方を。

「お前の言う通りだったな」

ラジオを点けると、どこも城で爆発が起きたというニュース。
テロリスト、侵入者、爆発。

「甘いわね」

道は既に街を抜けて森の中へ入って行った。
ふあ、と欠伸をしてシーラは伸びた前髪をかき上げた。

「もう少しで雨が降る」

青い瞳が、フロントガラスの向こうに広がる雲を捉える。
まるでシャム猫だ。

それから車の中をきょろきょろとし始めた。

< 69 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop