シェヘラザード、静かにお休み
女性に体重と年齢、どちらを尋ねるのが失礼に当たるのだろう。
「22」
「にじゅう……22?」
きょとんとした顔を見せて、シーラが小首を傾げる。
「どうしたの?」
「いや、10代だと思っていた」
「悪かったわね、若くなくて」
「そういうことじゃない」
頬を膨らませてみせる。そういうところが、年相応には見えない。
食卓テーブルと、電話、花瓶に差してある花、ごみ箱。
人の暮らす気配のする部屋だ。
シーラはふんふんと他人の家の匂いを嗅いだ。それから裸足をソファーの上でぶらぶらと揺らす。