キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「お父さんが悠人君も一緒に来てもらえないかって
言ってるんだけど……どうかしら?」って…

お母さんの電話で急遽予定の変わった先生は…

大慌てで仕度をしたの。

昨日のスーツ程改まってはいないけど…

ジャケットとVネックのシャツを合わせた格好も

やっぱりかっこよくて……

「仕度出来た?行くよ!カバン持って。」って

焦ってる先生をジーっと見てたら……怒られちゃった。

……………うふっ……

ニヤケたらダメなのに

一緒にいられる時間が増えて……口が緩んじゃう。

「なぁ~に笑ってんだか。」

運転しながら不審そうに見つめる先生。

い~んだもん!変な子に見られたって。

嬉しいんだもん!!

結局家に着いたのは…5時を少し回ってからになっちゃった。

「あぁ~っ!初日から約束の時間に遅れるなんて。」

「仕方ないよ。先生は急に呼ばれたんだもん。
お父さんだって分かるよう。」

「そんな問題じゃないの。
これから長い付き合いをしたいから…
最初が肝心なの!唯ちゃんもその内分かるよ。」

ジャケットの襟をもう一度整えて

車から降りて玄関に向かった。
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