人色-hitoiro-

だけど、この世界の大半の人は
それを疎ましく感じる。
いおは昔から人に理解される
人間ではなかった。

でも、他人の感情に疎い
いおはその事をまるで気にしない。

だから、尚更、いおには
変わって欲しくないと思ってしまう。

涼介「いお。」

伊織「ん?」

涼介「俺はさ、何十年後も
いおはいおのままでいて欲しいって
そう思ってる。人は変化を求めるけど
変化しない事があってもいいと思うんだ。」

伊織「どうしたの?涼ちゃん。」

涼介「こんな言葉じゃ
何の役にも立たないかもしれないけど
俺はいおの味方だから。
誰が相手でもいおはいおのまま
ぶつかっていけばいいんだよ。」

伊織「ありがとう。涼ちゃん。」

いおの笑顔が眩しくて
こんなにも真っ直ぐな
想いに気付かない京夜の疎さに
俺は心底、腹が立った。


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