人色-hitoiro-


不良「おい、聞いてんのか!!」

ーバンッッ

京夜「ダセェ事すんなよ。」

また大きな音がして振り返ると
意外な光景が目に飛び込んできた。

あの泣き虫で弱虫な京夜が
不良の胸倉を掴んでいた。

不良「なんだ、お前!」

京夜「見た目だけいかつくしても
中身はお前らヘナチョコなんだな。
大勢でいなきゃ何も出来ないなんて
本当ダサすぎて笑える。」

不良「おい、お前!!」

京夜は掴んでいた手を離すと
片手で不良を床に叩きつけた。

生徒「九条くんの言う通りだよ。」
生徒「九条くんかっこいい!」
生徒「女の子いじめるなんて本当最低。」

周囲の人の視線が痛かったのか
不良は京夜をキッと睨むと
そそくさと食堂を出て行った。
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