人色-hitoiro-


奏「伊織ちゃんが言ったんでしょ?
想い続ければ願いは叶うって。
こんな事でヘコんでどうするの?」

伊織「‥‥阿久津くんって意味不明。
フラれてるって言ってみたり
応援してみたり‥本当‥何なのよ。」

奏「証明してよ。
想い続ければ願いは叶うって
俺に証明してみせてよ。」

俺の体から離れた
伊織ちゃんの瞳からは
もう涙なんて流れていなかった。

伊織「‥京夜の所へ行ってくる!」

歩き出した伊織ちゃんの姿が
逞しく見えて、少しだけ
ほんの少しだけ俺の中で
答えが見つかった気がした。

見つかったから追いかけた。
今から彼の元へ行こうとする
伊織ちゃん事を。
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