とある学園の禁断恋愛
これで、クラス全員の自己紹介が終わった。それと同時にタイミング良く、チャイムが鳴る。
「はーい、今日はここまでー。自己紹介おつかれー。最後になったけど、担任の入鹿 李月です。明日からよろしくねー。じゃ、今日はもう解散。バイバーイ。」
担任らしからぬユルーい態度で教室を出ていく李月先生。皆も各々帰りの用意をしているようだ。月も帰りの用意をし終え、教室から出る。暫く廊下を歩いていると、後ろから声を掛けられた。見てみると、李月先生だった。
「・・・何の用でしょうか。」
「いや、そこに居たから。」
「意味が分かりません。今日は急いでるので、失礼します。」
そう言った瞬間、腕を捕まれる。
「!!・・・なんですか。」
「・・・急いでるって、彼氏?」
「は?」
「月ちゃん、モテるでしょ。彼氏いたって不思議じゃないし。」
「・・・違いますよ。今日は夜だけ親が帰ってくるので、早く帰って準備したいんです。」
「・・・そ。ごめんね、腕掴んで。それじゃー、また明日。バイバイ。」
「・・・さようなら。」
別れの挨拶をして、李月先生と別れる。暫くして角を曲がると、急いで走り出す。時間がない訳ではない。ただ、顔が熱くて、動悸が激しいのだ。
(ああ、もう、なんなんだ。)
右手で緩む口許を隠しながら、家へと急ぐ月であった。
< 12 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop