イジワルな彼は私を溺愛しています ②

元旦

*side 有紀

朝、目を開けると和海とベッドで寝ていた。

昨日は車で寝たから、誰かが運んでくれたのだろう。

今日は水沢家に行かなければならない。

あのデカすぎるお城の家に。

「はぁ」

私は和海のほっぺを触りながら時間を潰すことにした。

スベスベ肌でもちもちだ。男でこんな肌を持っているなんて羨ましいかぎりだ。

ひとしきりほっぺを触ったら次は髪の毛だ。

こっちはフサフサで、傷んでいない綺麗な黒髪だ。

触り心地最高。

私はずっと和海の髪の毛をいじっていた。

「有紀」

突然、和海の目が開いた。

「何してるの」

「な、何でもない。今日はすることが沢山あるから、急いで準備しないと」

私は和海に捕まらないうちにベッドから起き上がった。

「今日は6時に車に乗らないといけないから」

「ああ、あと5分だな」

「あと5分?!」

私は和海で遊んでいる場合じゃなかったのだ。

急いで仕事部屋にある書類をかき集めて、適当な服を着て、玄関に向う。

和海が玄関にいた。

「行ってきます」

和海は私をハグしてキスした。

「いってらっしゃい」

和海の声に見送られて私は頬を赤くしたまま家を出た。

< 151 / 216 >

この作品をシェア

pagetop