極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
今までさんざん目にしてきた通り、彬良くんの存在はすぐに人の噂になった。

人事部長や執行役員が、大学院の研究室にまで足をはこんで獲得したほどの超エリート。
おまけに容姿端麗。彼の名は佐伯彬良。

色めき立つ女性陣を遠目に見ながら、わたしは彬良くんに、こっそりお願いをした。
「会社では知らない人のふりをして」と。

彬良くんとのことを知られると、必ず紹介してと寄ってくる人があらわれるから。
理由もなく嫉妬をされたり、もうそんなことに巻き込まれるのが嫌だった。

ついでにこれは彬良くんのせいじゃないかもしれないけど、男性からは敬遠される・・・気がする。

それはともかく、あの佐伯彬良の幼なじみの子、じゃなくて宮原そよかとしてこのEurekaでやってゆきたい、そんな思いからだった。
彬良くんはといえば、あっさり了承してくれた。
「だいたい、ほとんど接点ないと思うよ」と。

まあそれはそうだけど。会社がスカウトした経営企画部のエリートの彬良くんと、広報部のしがないアシスタントとじゃ、同じ会社とはいえ住んでいる世界が違う。
< 18 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop