藤堂さん家の複雑な家庭の事情
信用と実績
玄関のドアを開けて「ただいま」って言ったら、リビングから「おかえり」ってお姉ちゃんの声が聞こえてきた。
一応許可は貰ってたけど、もしかしたら帰ってくるのが遅すぎるって怒られるんじゃないかもって思ってただけに、俄かに拍子抜けした。
真っ直ぐリビングに向かったら、お姉ちゃんはソファに座ってテレビを見てた。
琢ちゃんは当然もう寝てるからリビングにはいない。
お姉ちゃんはテレビからリビングに入ったばかりのあたしに目を向けると、「楽しかった?」って聞いてくれた。
「うん。楽しかった」
「そう。よかったね」
別にそんなつもりはないって分かってるんだけど、ちょっと突き放した言い方をされた気がしたから、「うん」って返事をしながらお姉ちゃんの隣に座った。
だからって何って訳じゃないんだけど、自然とそうしちゃったって感じ。
――ただ。
「何でこんなに近くに座んのよ!?」
お互いの肩がくっ付くくらいの場所に座ったから、どうにもお姉ちゃんを驚かせてしまったらしい。
それどころか、不信感まで抱かせてしまったらしい。
「何か悪い事でもしたの?」
眉を顰めたお姉ちゃんに疑惑の目を向けられた。
一応許可は貰ってたけど、もしかしたら帰ってくるのが遅すぎるって怒られるんじゃないかもって思ってただけに、俄かに拍子抜けした。
真っ直ぐリビングに向かったら、お姉ちゃんはソファに座ってテレビを見てた。
琢ちゃんは当然もう寝てるからリビングにはいない。
お姉ちゃんはテレビからリビングに入ったばかりのあたしに目を向けると、「楽しかった?」って聞いてくれた。
「うん。楽しかった」
「そう。よかったね」
別にそんなつもりはないって分かってるんだけど、ちょっと突き放した言い方をされた気がしたから、「うん」って返事をしながらお姉ちゃんの隣に座った。
だからって何って訳じゃないんだけど、自然とそうしちゃったって感じ。
――ただ。
「何でこんなに近くに座んのよ!?」
お互いの肩がくっ付くくらいの場所に座ったから、どうにもお姉ちゃんを驚かせてしまったらしい。
それどころか、不信感まで抱かせてしまったらしい。
「何か悪い事でもしたの?」
眉を顰めたお姉ちゃんに疑惑の目を向けられた。