藤堂さん家の複雑な家庭の事情
夜明け前
あたしを心配して、琢ちゃんと一緒に図書館の近くまで探しに来てくれてたお姉ちゃんに、ファミレスの前で頭をグーで殴られた夜。
すっかり熟睡してたあたしが目を覚ましたのは、仄《ほの》かな石鹸の香りとお酒が混じった匂いに包み込まれた所為。
目覚めた直後に背中に感じる熱に、
「お兄ちゃんお酒臭い……」
モソモソと動いて体を反転させると、ギュッと強く抱き締められた。
「んー、今何時ぃ?」
「3時過ぎ」
「早いねえ……」
「日曜は2時に店閉めんだよ」
「あー、そっか。今日日曜か……って、もう0時過ぎてるから月曜か……」
「何ブツブツ言ってんだ。寝惚けてないで目ぇ覚ませ」
「んー、お兄ちゃん、二日酔いは……?」
「とっくに治ってる」
「そっか……」
「おい、起きろって」
「……眠い……」
「目ぇ開けろ」
すっかり熟睡してたあたしが目を覚ましたのは、仄《ほの》かな石鹸の香りとお酒が混じった匂いに包み込まれた所為。
目覚めた直後に背中に感じる熱に、
「お兄ちゃんお酒臭い……」
モソモソと動いて体を反転させると、ギュッと強く抱き締められた。
「んー、今何時ぃ?」
「3時過ぎ」
「早いねえ……」
「日曜は2時に店閉めんだよ」
「あー、そっか。今日日曜か……って、もう0時過ぎてるから月曜か……」
「何ブツブツ言ってんだ。寝惚けてないで目ぇ覚ませ」
「んー、お兄ちゃん、二日酔いは……?」
「とっくに治ってる」
「そっか……」
「おい、起きろって」
「……眠い……」
「目ぇ開けろ」