トシノサ恋 ~永久に…君に~
「…何か、紗和らしくない。」

「…私…らしくない…?」

「……うん。」

そう言って彼は、私をチラッと見て

笑いながら……

「…今度、似合うの買ってやるから…。」

そう言ってまたスマホの画面に

目を落とした。

「……あ、うん…。」

私は、それだけ言うと寝室のドアを閉めた。

服を脱いで、部屋着に着替えて

濡れた服を洗面所に持っていく。

新井くんが貸してくれた

デニムのジャケットを眺めながら

今日のデートを思い出す。

ガサッ

新井くんのポケットから何か紙が

落ちた。

「……何だろ…。」

その紙を広げると……

それは、今日のデートの予定だった。

どこに行くか…とか

私が好きそうな物は何か…とか

沢山の候補が細かく書いてある。

「映画館、到着9時…。

プッ…もう…

どんだけ…待ってたのよ…。」

今日の新井くんが待っていた姿を

思い出して可笑しくなる。

……ポロポロ

急に私の頬に涙がこぼれていた。

「…え…何…?」
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