ホテル御曹司が甘くてイジワルです

「な、なに言ってるんですか館長。私はプラネタリウムのリニューアルが楽しみだなって思っていただけです」
「そうかい。清瀬さんが明日はようやく丸一日休めると言っていたしちょうど休館日だから、てっきりふたりで過ごすんだと思っていたのに」
「だから、なんで連絡を取りあってるんですか」

清瀬さんはなかなか手に入らない人気のスイーツや高級チョコレートで、甘党の館長の心をがっちり掴んで、いつの間にか仲良しになっているようだ。

「清瀬さんに、僕たちが連絡を取ってることを知ってまた夏目さんがやきもちやいていたよって教えてあげないと」
「やいてないし教えなくていいです」

肩をいからせてにらむと、館長は楽しげに笑う。

相変わらず忙しい清瀬さんとは、時々オーベルジュの視察のついでにここに寄ってくれたり、電話やメッセージでやりとりをするくらいだ。

これでオーベルジュが無事にオープンして清瀬さんが本社に帰れば、ますます会える機会は減ってしまうんだろうな。
< 157 / 278 >

この作品をシェア

pagetop